放課後等デイサービスのファクタリング活用方法を紹介します。最近では資金調達の有効手段として「ファクタリング」は注目を集めています。特に福祉事業者のご利用が増えております。今回の記事では福祉施設の中でも放課後等デイサービスにおけるファクタリングの活用方法について紹介したいと思います。
目次
放課後等デイサービスの現状
放課後等デイサービスは、障がいのある子どもたちが放課後や休日に利用できる福祉サービスの一つです。支援を必要とする子どもたちに対し、日常生活のサポートや学習・遊びの場を提供する重要な役割を担っています。
政府の支援が進む一方で、利用者数の増加やサービスの多様化により、施設の運営にはさまざまな課題が伴います。特に、人材確保や設備投資などのコスト負担が大きく、経営の安定が求められています。
放課後等デイサービスの施設数や障がいのある子どもの数について
近年、放課後等デイサービスを利用する子どもの数は増加傾向にあります。厚生労働省の統計によると、全国の放課後等デイサービスの施設数は年々増えており、それに伴い利用者数も増加しています。
全国の施設数:2012年には約3,000施設だったのが、2023年には約12,000施設に増加。
障がいのある子どもの数:発達障がいや知的障がいを持つ子どもの数も増えており、特に軽度の障がいを持つ子どもたちの支援ニーズが高まっています。
このような現状を踏まえると、今後も放課後等デイサービスの需要は拡大していくことが予想されます。しかし、同時に適切な資金管理や安定した経営基盤が必要不可欠です。
放課後等デイサービスの経営的課題
放課後等デイサービスを運営する上での主な課題には、以下のようなものがあります。
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人材不足
介護・福祉業界全体に共通する課題として、慢性的な人材不足があります。特に、有資格者の確保が難しく、適切な人員配置ができないケースもあります。
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設備投資の負担
施設の運営には、安全で快適な環境を提供するための設備投資が欠かせません。しかし、遊具や教材、バリアフリー設備の導入には多額の費用がかかるため、資金調達が重要になります。
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収益の安定性
放課後等デイサービスは、公的な支援を受けているものの、報酬の支払いサイトが長いため、資金繰りが不安定になりがちです。特に、新規開業時や利用者数が変動するタイミングでは、運転資金の確保が大きな課題となります。
放課後等デイサービスの資金調達について
経営を安定させるためには、さまざまな資金調達手段を活用する必要があります。代表的な方法として、以下のような選択肢があります。
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自己資金
運営者自身が貯蓄を活用する方法です。リスクが低い反面、多額の自己資金を準備するのは難しい場合があります。
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銀行融資
金融機関からの融資を受ける方法ですが、審査が厳しく、実行までに時間がかかることがデメリットです。また、財務状況が不安定な場合は審査が通らないこともあります。
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助成金・補助金
自治体や政府が提供する助成金・補助金を活用する方法です。開業支援や設備投資の助成が受けられる場合がありますが、申請手続きが複雑で、受給までに時間がかかることがあります。
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ファクタリング
ファクタリングは、売掛金(未回収の報酬:障がい福祉施設や放課後等デイサービスは自立支援給付金や障害児給付費のこと)を現金化する資金調達方法です。特に、放課後等デイサービスのように、自治体からの報酬支払いが遅れるケースでは、迅速な資金調達手段として有効です。
放課後等デイサービスにおけるファクタリングの有効性
ファクタリングは、特に放課後等デイサービスの資金繰りを改善する手段として適しています。その理由は以下の通りです。
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迅速な資金調達
通常、自治体からの報酬支払いには数ヶ月かかることがありますが、ファクタリングを活用することで、即日~数日以内に資金を確保できます。
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負債にならない
銀行融資とは異なり、ファクタリングは自立支援給付金や障害児給付費の売却であるため、負債として計上されません。財務状況を悪化させずに資金を調達できます。
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審査が比較的容易
銀行融資のように、厳格な信用審査を受ける必要がないため、創業間もない事業者でも利用しやすいです。
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資金繰りの安定化
定期的にファクタリングを利用することで、キャッシュフローを安定させ、従業員の給与支払いや設備投資を円滑に行うことが可能になります。
ファクタリングとは
ファクタリングとは、障がい福祉施設、児童デイサービスのにおける自立支援給付金や障害児給付費をファクタリング会社に売却し、早期に現金化する資金調達の方法です。特に、資金繰りが不安定になりがちな事業者にとって、即時の資金調達手段として有効です。
放課後等デイサービスのような福祉事業では、自治体からの報酬が一定の期間を経て支払われるため、キャッシュフローが不安定になりがちです。このようなケースで、ファクタリングを活用すれば、資金不足による事業の停滞を防ぐことができます。
ファクタリングのメリットとデメリットについて
メリット
迅速な資金調達が可能:自立支援給付金や障害児給付費を即日または数日以内に現金化できる。
負債とならない:ファクタリングは自立支援給付金や障害児給付費の売却であり、借入とは異なり財務状況を悪化させない。
審査が比較的容易:銀行融資と異なり、財務状況ではなく自立支援給付金や障害児給付費の信用が審査基準となる。
運転資金の安定化:定期的にファクタリングを活用することで、キャッシュフローを改善し、安定した事業運営が可能。
デメリット
手数料が発生する:自立支援給付金や障害児給付費の全額を受け取れるわけではなく、一定の手数料が引かれる。
利用回数が増えるとコスト増加:継続的な利用を続けると、長期的に見てコスト負担が大きくなる。
ファクタリングの有効な活用方法
放課後等デイサービスでは、以下のようなケースでファクタリングを活用すると効果的です。
自治体からの報酬支払いまでのつなぎ資金として
スタッフの給与支払いや施設の運営資金確保のために
新規開業時の資金繰り対策として
設備投資や備品購入の費用を確保するために
放課後等デイサービスにおけるファクタリングの活用事例について
ファクタリング活用事例1:新規開業時の資金繰り対策
ある事業者は、新規で放課後等デイサービスを開業するにあたり、初期投資に多額の資金を要しました。しかし、自治体からの報酬は数ヶ月後であり、運転資金が不足する可能性がありました。そこで、ファクタリングを活用し、自立支援給付金や障害児給付費を早期に現金化することで、スタッフの給与や施設の家賃を支払うことができました。
ファクタリング活用事例2:運営資金の安定化
長年放課後等デイサービスを運営している事業者は、自治体からの報酬支払いのタイミングが一定でないため、資金繰りに課題を抱えていました。ファクタリングを活用することで、定期的な資金調達を可能にし、安定したキャッシュフローを確保することができました。
ファクタリング契約までの流れ
ファクタリングにおける契約そして給付までの流れは下記の通りになります。
- ファクタリング会社の選定
- 信頼できるファクタリング会社を選び、手数料や条件を比較する。
- 申し込みと審査
- 必要書類(請求書、契約書、会社情報など)を提出し、審査を受ける。
- 契約締結
- 審査が通れば、ファクタリング会社と正式に契約を締結する。
- 自立支援給付金や障害児給付費の譲渡と資金受領
- ファクタリング会社に自立支援給付金や障害児給付費を譲渡し、手数料を差し引いた金額を受け取る。
- 自立支援給付金や障害児給付費の回収と返済不要
自立支援給付金や障害児給付費が支払われると、ファクタリング会社が回収するため、事業者側は返済不要。
まとめ
放課後等デイサービスは、社会的に重要な役割を担う施設ですが、安定した経営を維持するためには資金調達の工夫が不可欠です。人材確保や設備投資、運営資金の確保など、経営課題に対応するためには、自己資金や融資、補助金だけでなく、ファクタリングの活用をぜひご検討ください。
特に、報酬の支払い遅延により資金繰りが不安定になる放課後等デイサービスにとって、ファクタリングは有効な資金調達手段となるでしょう。事業の持続的な成長のために、適切な資金管理と調達手段を検討し、安定した経営基盤を築いていくことが重要です。新規開業時や急な資金ニーズが発生した際には、特にファクタリングは資金調達スピードが融資よりずば抜けて早いのでおすすめです。
事業の継続と発展のために、適切な資金調達方法を選び、安定した運営を目指しましょう。